君がくれた涙はきっと光となる
…ああ、そうか。


私…。



「“私なんか”って言うのやめろよ」


「…え?」


「自分で自分の価値下げるようなこと言うと、本当にその通りになるよ。それに、いつ誰が小雪のこといらないって言った?」



流川くんは真っ直ぐ私を見つめながら、ふっと軽く笑った。



「小雪のことをいらないなんて思うやつはここにいないよ。小雪と班を組んだのも、楽しそうだと思ったから。案の定こんな危ないことして、一生忘れられない思い出作れたし」


「まあーそうだな。それにあのカレーすげぇうまかったし!」


「こんなの一生忘れられないわ本当。責任取ってよね」



…もしも私が泣けたなら、きっと今泣いていただろう。


だけど目頭が熱くなっただけで、涙は一粒も出てこなかった。



気づいてしまった。私はこの三人と、友達になりたいんだ。
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