君がくれた涙はきっと光となる
過去の鎖
オリエンテーションの日から三日が経った。


あっという間にテスト一週間前だ。



「ねえ、鳴海さん」



図書館にでも寄って勉強しようかなと考えながら帰りの支度をしていると、前に永野さんが来た。



「輝来が言ってたんだけど、おうちがカフェって本当?勉強するところちょうど探してて、よかったら鳴海さんの家行っていい?あ、輝来と瑠衣も一緒に」


「…え?あ、大丈夫ですけど…」


「じゃあ決まりねー!輝来、瑠衣ー!早く」



行こ、と優しく微笑んだ永野さんが私と腕を組んできた。


その光景にクラスメイトがまたもやざわざわと騒ぎあっている。



「あの…本当に私もご一緒していいんですか…?」



たしかに三人ともっと話したいとは思っていたけど、いきなり勉強会なんて…。


私がいても邪魔なだけな気がする。



そう思って校門を出たあたりで永野さんに恐る恐る尋ねると、さっきまで浮かんでいた天使スマイルが剥がされた。



「嫌だったら最初からあんたの家で、なんて誘わないわよ。そこで気づきなさいよね」


「あ、はい…。ごめんなさ…」
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