君がくれた涙はきっと光となる
流川くんは私から受け取ったスマホの電源を入れた。


だけど4桁の暗証番号を入力する画面が出てきて、開くことはできない。



「小雪、誕生日いつ?」


「え、お兄ちゃんの?お兄ちゃんは10月…」


「違う。小雪の」


「え、私…?私は11月15日だけど…」



流川くんは“1115”と入力し、すると簡単にロックが解除された。



お兄ちゃんのスマホの暗証番号、私の誕生日だったんだ…。


ここにもお兄ちゃんの愛を感じた気がして、目頭がじんっと熱くなる。



「スマホを見てたってことは…誰かにメッセージを送ろうとしてたとか?それこそ、小雪にとか…」



流川くんがメッセージアプリのアイコンをタップし、一番上にいた私の名前を押す。


メッセージのやり取りは四年前で時が止まっていて、特に下書きとかもなにもなかった。


同様に他の人とのトーク画面も見ていくが、これといった下書きは残っていなく、そもそもお兄ちゃんはメッセージのやり取りをしているのも数人であっという間に調べ終わる。



手掛かりがなくなってしまった。



「…待てよ。もしかして…」



考え込んでいた流川くんがふと呟き、写真フォルダのアイコンをタップした。
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