君がくれた涙はきっと光となる
笑顔の前進
お兄ちゃんの過去と向き合ってから二週間が経ち、学校はすっかり体育祭モードに突入していた。
「あれ、借り物競走の四走目ってだれー?」
学級委員の人に「あ、私です…」と片手を上げて知らせるけど、全く気づいてもらえない。
「あ、あの…」
「鳴海さんだってー。ほら、手上げてるでしょ」
永野さんのフォローのおかげでやっと気づいてもらえ、学級委員の人が「ごめんねー」と謝ってこちらに来た。
当日の並び順の紙をもらい、グラウンドの端っこで髪の毛を器用に結んでいる永野さんに近づく。
体育祭が近いから放課後は各クラスグラウンドを使って練習をしていいことになっている。
真っ直ぐ帰ろうとしていた私を誘ってくれたのが、永野さんだった。
「永野さん、さっきはありが…」
「あんたさぁ、結局由紀さんは事故だったってわかったんでしょ?あんたのせいじゃなかったって。ならもう地蔵みたいに過ごすのやめなさいよね」
「そうしたいんだけど…もう癖ついちゃってるというか…」
「じゃあためしに笑ってみなよ。にこーって」
お姫様みたいに可愛く笑う永野さんを見習って、にっと口角を上げてみるが目の前にいる永野さんはぎょっとしたように後ずさった。
「いや、こわっ。笑顔下手くそ」
「あれ、借り物競走の四走目ってだれー?」
学級委員の人に「あ、私です…」と片手を上げて知らせるけど、全く気づいてもらえない。
「あ、あの…」
「鳴海さんだってー。ほら、手上げてるでしょ」
永野さんのフォローのおかげでやっと気づいてもらえ、学級委員の人が「ごめんねー」と謝ってこちらに来た。
当日の並び順の紙をもらい、グラウンドの端っこで髪の毛を器用に結んでいる永野さんに近づく。
体育祭が近いから放課後は各クラスグラウンドを使って練習をしていいことになっている。
真っ直ぐ帰ろうとしていた私を誘ってくれたのが、永野さんだった。
「永野さん、さっきはありが…」
「あんたさぁ、結局由紀さんは事故だったってわかったんでしょ?あんたのせいじゃなかったって。ならもう地蔵みたいに過ごすのやめなさいよね」
「そうしたいんだけど…もう癖ついちゃってるというか…」
「じゃあためしに笑ってみなよ。にこーって」
お姫様みたいに可愛く笑う永野さんを見習って、にっと口角を上げてみるが目の前にいる永野さんはぎょっとしたように後ずさった。
「いや、こわっ。笑顔下手くそ」