White/Black〜シロかクロかそれとも愛か〜
大side
「言われた通り唯ちゃんと仲良くなったけど、何考えてんの?」
白虎が勝手に占拠している空き教室に入り、床に腰を下ろす。
仁はいつものクールな顔にかすかな笑みを浮かべて答える。
「あの女の本性が知りたい」
「本性もなにも、噂通りの地味子ちゃんって感じだけどね。きっと、過去に何かあって心に傷を負ってるんだろうなーとは思う」
「何かって?」
「それは知らない。でも、仁が思ってるような子じゃないのは確かだよ。あの子はすごくいい子だし、裏の顔なんて絶対ない」
仁は、俺の人の心を読む能力を信頼して俺を唯ちゃんに近づけたんだと思う。
唯ちゃんと話してると、心の闇は感じ取れるけど、裏に本性を隠し持っている気配は一切なかった。
「ふーん…」
「俺のこと疑ってるっしょ」
「あぁ。だってあれは絶対に真白唯だった」
「人違いじゃない?」
「納得いかねぇ」
こういうときの仁は諦めが悪い。
「しょうがないなぁ…。もう少し観察続けてみるよ」
「いや、いい。強硬手段に出る」
強硬手段?