【コミカライズ原作】元カレに裏切られてすぐにエリート上司と出会うなんてあり得ないと思ったら計画通りでした
 千秋さんはいつもストレートに表現してくれる。付き合いたいから付き合おうって、好きだから好きだって。
 勇気が出なくてなかなか私が言葉にできないことを彼は簡単に言葉にしてくれる。
 以前はそれが軽いと思っていたけれど、今ではそれが私にとって救いになっていて、同時に私の背中を押してくれる。

 だから、私も今の感情をストレートに伝えることにした。

「わ、私も好きなんです……いつの間にか、あなたのこと、好きになってました」

 こんな形で想いを告げるとは思わなかったけど、それでも伝えられるときに気持ちを伝えたかった。だけど、不安もあることをきちんと言いたい。

「でも、誰かを好きになるのが怖くて……信じたいのに、信じる勇気がなくて……ほんとに、こんな自分が嫌でたまらないんですけど」

 自分でも自己肯定感の低さに嫌気がさしてしまうほどだ。
 こんな話を聞いて嫌われてしまわないか心配だったけど、千秋さんは穏やかな口調で冷静に言った。

「無理もないよ。君の今までの境遇では人間不信にもなるだろう」

 その言葉を聞いて、涙が出そうになった。けれど、今抱いている強い気持ちだけは伝えたい。

「私、千秋さんのことを信じたい。だからその、付き合うっていう話なんですけど……わっ!」

 話している途中で千秋さんが私に抱きついてきた。力強い腕の感触とふわっとした柑橘系の香水。懐かしい彼の匂いに胸の奥がぎゅっと締めつけられて、泣きたくなった。

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