新そよ風に乗って ⑧ 〜慕情〜
「あ、あ……の……たかは……ンンンッ……」
「やっぱり、 広い方がいいな。 いろいろ出来るし」
言っている意味がよくわからず見上げると、 高橋さんと目が合ってしまい、 慌てて逸らすと、 高橋さんはそんな私を見て、 いつものように悪戯っぽく笑っていた。
高橋さんが、 私を抱き上げて寝室へと運んで照明を消すと、 深いキスを落としながら優しく愛を刻み始めていた。
乱れた私の髪をサイドに掻き分けながら、 その親指は、 私の唇をそっとなぞる。
「楽しみとか言うな」
「えっ? ンッ……ンンッ……」
高橋さんは、 先ほどより更に深いキスを落とした。
苦しい……息が……息が出来ない。
苦しくて、 どうしようもなくなりそうになると、 それを察してか少しだけ唇を離してくれる。
「ハア……ハアハア……」
その夜、 高橋さんは優しく私を抱いてくれた。 
だが、 何かが違っていた。 何が違うのかといわれると、 自分でも分からないが……。
まるで、 私の身体を確かめるような……そんな身体の隅々まで愛を刻み込んでいた。
「出来ることならば、 お前には会わせたくない」
エッ……何?
薄れゆく朦朧とした意識の中で、 そんな言葉を高橋さんが、 私がブラックアウトする寸前に言った気がした。
あれは、 聞き間違い?
それとも、 夢?
確証もなく、 記憶が定かではなかった。

翌朝、 いつものように、 腰砕けのまま気怠い身体を起こす。
暫くしてドアが開いて、  高橋さんが姿を現すと、 ベッドの縁に腰掛けた。
きっと、 またシャワーを浴びたのだろう。 まだ、髪が少し濡れている。
「おはよう」
「お、 おはようございます」
唇に、 そっと触れるぐらいのキスでも、 やっぱりまだ緊張してしまう。
「シャワー浴びておいで。 朝食が終わったら、 出張兼旅行の買い物に行こう」
「はい」
半分眠っている身体を起こし、 バスルームへと向かう。 眠気を早く取らないといけないと思いながら、 Tシャツを脱いで 急いでバスルームに入ろうとした。
エッ?
チラッと見た、 鏡に写った自分の姿に違和感を覚えて、 もう1度鏡を見た。
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