新そよ風に乗って ⑧ 〜慕情〜
週末は、 高橋さんのマンションで。 
という事で、 金曜日の退社後、 お泊まりセットを会社に持ってきていたので、 そのまま高橋さんの家へ行くことになっていたが、 その前に軽く食事を済ませてから、 マンションへと向かった。
シャワーを浴びて、 寝る前のひととき。 何をする訳でもなく、 DVDの画面を観ながら、 昼間の会社での出来事を考えていた。 良い上司に恵まれているという事が、 改めて実感できた日でもあり、 どんなに仕事が出来ても、 上司としては……というような人には、 なって欲しくないと願っていた高橋さんの気持ちもわかったが、 実際に高橋さんは、 そんな上司としての心構えみたいなものを、 一体誰に教わったのだろう?
確かに、 会社の管理職研修もあって、 そこでもいろいろケースの対処法などを教えてもらう。 だけど、 実際現実問題そんなにすべてがマニュアル通りに進むわけでもなく、 そんな対処法というか、 管理職としての心構えみたいなものは、 誰をお手本にしたんだろう?
「高橋さん……」
「ん?」
いつもの定位置に座りながら、 ふと聞いてみたくなった。
ちょうど、 エンディングロールの字幕が流れていた、 DVDの画面をリモコンで消して高橋さんがこちらを見た。
「高橋さんは、 誰を管理職のお手本にしたんですか?」
「……」
エッ……。
ほんの一瞬だったが、 高橋さんが私から目を逸らした。
「眠くなっちゃった?」
「えっ?」
微笑みながら、 私の髪をクシャッとする。
「まだ、 ね、 眠くなんてありません。 子供扱いしないで下さい」
真面目に聞こうとしていたのに、 はぐらかされてしまい、 ついムキになっていた。
「人間は、 本当の事を言われると、 ついムキになったりするんだよなぁ……」
酷い……。
その後も、 終始はぐらかされてばかりいて、 私の質問には取り合ってもらえない感じだった。
「もう、 いいです。 教えてくれないのでしたら、 寝ますから」
ソファーから勢いよく立ち上って、 ゲストルームの方へと歩き出す。
「わわっ……」
急に立ち上がった私の手首を高橋さんが掴んで、 ソファーに引き戻した。
「何処行く?」
ソファーに引き戻された私は、 高橋さんの膝の上で仰向けになっていた。
「ね、 寝るんで……ンッンンッ……」
高橋さんが、 いきなりキスをすると、 そのままソファーに倒されて、 上から覆い被さられた。
「ちょっ、 ちょっと、 高橋さ……」
そんなことはお構いなしに、 高橋さんは深いキスを落とし始めている。
「いつか、 会わせてやるよ」
「えっ……本当ですか? うわぁ。 凄く、 楽しみで……す……ンンッ……ハア……」
「たまには、 違う場所でするのも悪くないな」
エッ……。
気づくと、 高橋さんの左手が、 あっという間にTシャツの中に入り込み、 下着に手を掛けていた。
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