学校イチ人気者なアイドルに恋する私。を、なぜかそのお兄さんが愛してくるんだが。
𝚙𝚛𝚘𝚕𝚘𝚐𝚞𝚎
自分はたぶん、とんでもなく、無謀すぎる恋をしている。
純粋な愛で“純愛”なのだとしたら。
これは“愚恋”、とでも呼ぼうか。
「りっちゃーーん」
「…………」
「おーーい、もしもーーし!聞こえておるかーー!!」
「…どうしたの真琴(まこと)」
「そろそろ休憩するっ!お待ちかねのクッキー食べよーぜいっ」
「問5まで終わったら。そう言ったのは真琴でしょーが」
「むうーっ」
金曜日の学校帰りは、こうしてどちらかの家で課題を片付けることが日課。
今週は親友である真琴の部屋にて、まだノートを開いて15分ほどしか経っていないというのに彼女はすでにギブアップだと。
「あのねあのねっ?りっちゃんのために昨日の夜に頑張って作りました!なんと真琴ちゃんの手作りだとっ!どうっ、すごい!?」
「すげー」
「うはーっ!じゃあご褒美にふたりでゆっくりティータイムといこう───」
「せめて30分はやろうね」
「……むううっ」
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