学校イチ人気者なアイドルに恋する私。を、なぜかそのお兄さんが愛してくるんだが。
𝚙𝚛𝚘𝚕𝚘𝚐𝚞𝚎




自分はたぶん、とんでもなく、無謀すぎる恋をしている。


純粋な愛で“純愛”なのだとしたら。

これは“愚恋”、とでも呼ぼうか。



「りっちゃーーん」


「…………」


「おーーい、もしもーーし!聞こえておるかーー!!」


「…どうしたの真琴(まこと)」


「そろそろ休憩するっ!お待ちかねのクッキー食べよーぜいっ」


「問5まで終わったら。そう言ったのは真琴でしょーが」


「むうーっ」



金曜日の学校帰りは、こうしてどちらかの家で課題を片付けることが日課。

今週は親友である真琴の部屋にて、まだノートを開いて15分ほどしか経っていないというのに彼女はすでにギブアップだと。



「あのねあのねっ?りっちゃんのために昨日の夜に頑張って作りました!なんと真琴ちゃんの手作りだとっ!どうっ、すごい!?」


「すげー」


「うはーっ!じゃあご褒美にふたりでゆっくりティータイムといこう───」


「せめて30分はやろうね」


「……むううっ」



< 1 / 242 >

この作品をシェア

pagetop