学校イチ人気者なアイドルに恋する私。を、なぜかそのお兄さんが愛してくるんだが。
通りすぎていった車と、車を避けた場所で小石につまずいては転んでいる親友。
そのまま守ってくれるように歩道側に私だけを立たせてくれたのは、藍さん。
「ごめん、配慮が足りてなかった。律ちゃんこっち歩いて」
「ええええお兄ちゃんわたし転んだ!いたい何これぇぇ…っ」
「律ちゃんはケガない?」
「…真琴、ごめん。だいじょうぶ?」
「へーきへーき。数分したらケロっとしてるからこいつなんて」
とりあえず常備している絆創膏をひとつ出して、真琴のそばにしゃがむ。
擦り傷もしていないようで良かった。
「アザにはならないだろーから。とりあえず貼っとくけど」
「…うん。りっちゃんほんと優しい、どこかのお兄ちゃんとは大違い」
それから真琴を歩道側に歩かせたのは、私。
「りっちゃん!今日すっごくいい天気っ!」
「ほらね。もう転んだこと忘れてる」
「…中庭でお昼たべるかー」
「はいはい!さんせーいっ!!」
まぶしい笑顔を振り撒きながら歩く真琴、そんな彼女に手を伸ばしかける私。
……を、見つめている藍さん。
だれも報われない一方通行な三角関係、はい完成───。