学校イチ人気者なアイドルに恋する私。を、なぜかそのお兄さんが愛してくるんだが。
にている
「………はあーーー。……チッ」
「よっしゃ12回目~」
ちがう、絶対もっと。
口に出さずとも吐きまくっているため息と舌打ち、軽く100回は超えてんだもん。
ここ最近は保健室に居座ることが増えてしまった私に、保険医ことうっちーはからかうように笑ってきた。
「年頃の若者よ。さあ心のおもむくままに悩みたまえ」
「…そーいうんじゃないって。ほんと、違うんですよ」
「ちがうって?」
「……ちがうんですよ、まじで」
タンっ、カタカタカタっ、タンっ。
うっちーのタイピング音と、文豪家のような口調っぷりは聞いてて落ち着く。
特殊なヒーリング効果があって、私はそんなものを味わうために保健室に来ていると言っても過言ではなかった。
「んで、4限はどーする?もう始まったぞ」
「……残り15分になったら戻る」
3限が終わる頃から体調不良を訴えて今だ。
もちろんただの仮病なんだけど、どちらにせよ今日の数学は自習になったし問題ない。