君と二度目の恋に落ちたら
私もパスタを食べ上げ、その後10分ほどお喋りを続けてからお会計をしてお店を出ることにした。

「すごく楽しかったです」

お店を出てから私は少し勇気を出して、楽しかったということを伝えた。

「自分も、楽しかったです」

前野くんは微笑みながらそう言ってくれた。

私はそれだけでもすごく満足だったが、もっと…と欲張りになっていた。鞄からスマホをスッと取り出し、今日こそ連絡先を聞こうと、一歩踏み出そうとした。

しかし、私がそのことを言い出すよりも先に前野くんが口を開いた。

「…連絡先、まだ交換してなかったんですけど…交換してもらってもいいですか?」

「え!あ、もちろんです…!私も今聞こうと思ってました…」

ハハハと笑って照れを誤魔化そうとした。

「自分が画面に出すので、それを読み取ってもらってもいいっすか?」

「了解です」

私たちは各々のスマホで操作をし、前野くんが示してくれた画面を私が読み取る。読み取ると「ひろと」という名前とゴールデンレトリバーの写真のアイコンが出てきた。

「この「ひろと」くんで間違いないですか?」

何の気なしに画面に出てきた名前を呼んで確認したが、言ってすぐに下の名前で呼んじゃった…と少し恥ずかしい気持ちになった。耳が少し赤くなっていくのがわかった。

「そうです…」

心なしか、前野くんも少し照れたように感じた。
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