無自覚なまま、愛を蓄えて。

ぱちぱちと目を瞬かせながら、ようやく昨日の出来事を思い出す。


そうだった。


昨日はお父さんに家を追い出されて、そのまま梓くん家に泊まりに来たんだった。



「だ、大丈夫!ねぇ、今何時!?学校は!?」


「おい、落ち着け。今朝の8時。学校はもう少しで始まるぞ」


「うそぉ!」



私……あのまま寝ちゃって爆睡してたの!?


寝る部屋に案内されてからの記憶がない。とにかく疲れていたから次の日のことなんて考えずに眠りに入ったのだろう。


ああぁ、学校どうすんだよぉ!私のバカ!



「あ〜……慌ててる優星もかわい……このまま閉じ込めてたい」


「ちょ、梓くん!離して〜!学校遅刻するぅ!」



慌てて起きようとする私を何故か抱きしめる梓くん。


朝からこの刺激は強すぎるって!


思わずグイグイと押して、離れようとするけど力が強くてビクともしない。


梓くん、まだ寝ぼけてるのかなぁ!?
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