花とリフレイン —春愁切愛婚礼譚—
彼の顔が近づいて、唇が重なる。
「ん……っ」
私の長い黒髪を梳くように指を絡める。二度、三度とついばむように触れたキスが、熱を帯びて深くなる。
彼の着物の袖をキュッと掴む。
「……んっ」
「拒絶するなら今、だ」
耳元で囁く彼に、私は小さく首を横に振る。
「悪い子だな」
そう言って私の手に巻かれた包帯にキスをした彼の瞳が艶っぽく輝いて、ゾクッとする。
私たちがいた部屋の隣の部屋には、彼が一人で眠るために用意されていたであろう布団が敷かれていた。
仄暗い部屋に敷かれたそれがまたエロティックに見えてしまう。
「あ……ん……」
桜の花を盗むためだけの私の服装は、パーカーにズボンというあまりにも色気のないものだったけど、彼の骨ばった長い指がその中に差し入れられると、全てが官能を煽る要素のように思えた。
脇から胸、そしてその先端に彼が触れるたび、身体がピクっと小さく跳ねて反応する。
「キス……キス、して」
初対面の彼になぜそんなことをせがむのかわからないけど、一目惚れというものが本当に存在するなら、これがそうなのだろう。
「かわいいな」
そう言って私の上から唇を寄せる彼の首に、必死で腕を回す。
はだけた着物の襟元が色っぽい。
彼の長い髪を結んでいた紐はいつの間にか解けていて、髪が顔に触れてくすぐったい。
舌を絡め合うと、お互いの熱が混ざり合う気がして身体の奥が熱くなる。
「ん……っ」
私の長い黒髪を梳くように指を絡める。二度、三度とついばむように触れたキスが、熱を帯びて深くなる。
彼の着物の袖をキュッと掴む。
「……んっ」
「拒絶するなら今、だ」
耳元で囁く彼に、私は小さく首を横に振る。
「悪い子だな」
そう言って私の手に巻かれた包帯にキスをした彼の瞳が艶っぽく輝いて、ゾクッとする。
私たちがいた部屋の隣の部屋には、彼が一人で眠るために用意されていたであろう布団が敷かれていた。
仄暗い部屋に敷かれたそれがまたエロティックに見えてしまう。
「あ……ん……」
桜の花を盗むためだけの私の服装は、パーカーにズボンというあまりにも色気のないものだったけど、彼の骨ばった長い指がその中に差し入れられると、全てが官能を煽る要素のように思えた。
脇から胸、そしてその先端に彼が触れるたび、身体がピクっと小さく跳ねて反応する。
「キス……キス、して」
初対面の彼になぜそんなことをせがむのかわからないけど、一目惚れというものが本当に存在するなら、これがそうなのだろう。
「かわいいな」
そう言って私の上から唇を寄せる彼の首に、必死で腕を回す。
はだけた着物の襟元が色っぽい。
彼の長い髪を結んでいた紐はいつの間にか解けていて、髪が顔に触れてくすぐったい。
舌を絡め合うと、お互いの熱が混ざり合う気がして身体の奥が熱くなる。