花とリフレイン —春愁切愛婚礼譚—
「木花は私と結婚しているんだ。異性と二人で食事に行って、プレゼントを受け取るなんて気を持たせるようなことをしてはいけない」

私にだってわかってる。わかってるけど……

「櫂李さんだって、いろんな女性にプレゼントしたんじゃないの? 貰うことだってあるんじゃないの?」

「木花?」

「と……透子さんと食事に行ったりするんじゃないの?」

お酒が入っているからか、溜まっていたものが溢れてしまった。

「木花」
「私、お風呂に入るからっ」
逃げるように部屋を出てお風呂に向かう。

温かい湯船に浸かりながらも、身体は冷えていくような感覚。
あんなこと、言うつもりじゃなかったのに。
感情が昂ってしまって、気づくと涙が流れていた。

「今夜は、自分の部屋で寝ます」
「木花、私はべつに怒っているわけじゃない」
櫂李さんの言葉に、私は俯いて首を横に振る。

「ちがうの、私が頭を冷やしたいの」

嫉妬なんて醜い。
だけど全然抑えられない。

あなたの全部、他の女性(ひと)に少しも渡したくない。

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