カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
今日も先輩はソファでお昼寝の体勢だ。
実際に眠っているところは見たことが無い。

「終業式の挨拶、まとまったんですか?」

「んー」

「そっか。頑張ってくださいね」

「んー」

「カナデくん」

ガバッと体を起こした先輩が怪しむような目で私をジーッと見てる。

「どうしたんですか?」

「砂雪こそどうしたんだよ」

「そう呼べって言ったじゃないですか、カナデくんが」

「お前さ、どういうつもりで俺のこと挑発してんの?」

「どういうつもりで?」

「お前は俺のこと好きかどうかも分かんないんだろ?そのくせになんでそういうことばっかすんだよ」

先輩の隣に座って「だめですか?そんな風に呼んだら」って言ったら、先輩は目を逸らして「それはいいんだけど…」って言った。

「カナデくん」

「なに…」

「今更カナデくんを好きって言ったらどうするんですか?信じられるんですか?」

「好きなの?」

「さぁ…」

「大歓迎だけど?ほら」

カナデくんが両腕を広げる。おいでって意味なのかな?
そこに飛びこむ勇気は無い。
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