カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
カラダもココロも壊れてく

じれったい熱

暑くてしょうがない。
七月に入って夏服になった途端に、まるで地球も太陽も見計らってたみたいに気温がどんどん上昇していった。

各教室にも生徒会室にもエアコンはついているけれど、体育の時なんかはもう最悪。

何より汗で乱れる前髪が不快だった。

生徒会で集まってる時も誰かが空気の入れ替えで窓を開けようもんなら大ブーイング。

だからって窓を開けさせまいと本郷先輩が窓に密着したらしたで気持ち悪がられて、
生徒会での本郷先輩の扱いはどんどん雑になっていった。

みんながきょうだいみたいで、私はどんどん、生徒会での時間が本当に好きになっていた。

だけど来週からは夏休み。
生徒会もしばらくはお休みで、少し寂しかった。

「お前さー、俺の貴重な昼休みを邪魔すんなよ」

「邪魔ですか、私が居ると」

「友達はどうしたんだよ。ほっとかれて可哀想に」

「モネは委員会ですー」

モネが図書委員の当番の日、私は生徒会室でお昼休みを過ごすことが当たり前になっていた。

ここで先輩と二人で過ごしていると、校舎や運動場から聞こえてくる生徒達の声がなんだか違う世界から聴こえてくるくらいのささやかな喧騒に思えて心地よかった。
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