カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「………分かった」

カナデくんの、そうやって私の言うことを受け入れてくれるところ、大好き。

寝室には普通にベッドがあるけれど、リビングにはテーブルと座椅子が置かれているだけ。

それから本棚。
本棚の中身は参考書ばかり。

人が普通に生活しているようには見えないだろう。
もちろん実家じゃない。
私の実家はママと暮らすあの家だから。

「ここでなら二人きりで過ごせますよ。あ、よかったらそこ座ってくださいね」

「砂雪、急に積極的になって何があった?」

座椅子に座りながらカナデくんが言った。

急に態度が変わった私を怪しんでるのかな。
まだ本当の気持ちを伝えていない。
そりゃ妙に思うよね。

深呼吸をして、覚悟を決めた。
ここまで来たんだもん。

もう自分の気持ちに嘘ついて逃げたりしないから。

「カナデくん…あのね…」

カナデくんの隣に腰を下ろして、カナデくんの手元を見ていた。
顔を見ながらは、ちょっと言えそうもない。

「どうした?」

「私…カナデくんにずっと曖昧な態度取ったり、酷いこと言ったりしてごめんなさい」

「なんだよ急に」

カナデくんは笑った。
私は緊張で泣き出しそうだった。

「カナデくん。………好き、です」

「………ハ?」

「好きです。異性として。好きになっちゃいました」
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