カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
「モネ…言ったじゃん。サユちゃんのことが好きだって。もう誰にも隠さないよ?誰になんて思われたって、同性愛なんて理解できないって言われたってどうでもいい!サユちゃんが本当に好きで、心から幸せを願ってる。今のサユちゃんの恋愛の仕方は幸せなんかじゃない!自分を大切に想ってくれてる人のことを一番に信じられないなら…やっぱり不幸だよ…。」

「砂雪ちゃん。私とカナデが積み上げてきた時間は過去のことだからそれをあなたが同じだけなぞることは確かにできないよ…。でもね、二人には私とでは作れない未来がある。カナデがずっと…ずーっと願ってたのはそういう未来なの。はっきり言って悔しいよ!怒りたいのは私のほうなんだから!でもね、砂雪ちゃんがカナデを信じて、カナデが本当に愛した人と幸せになれるのなら、私もまた新しい恋を信じてみようって思えるんだよ」

鈴城さんがカナデくんから離れて、私をギュッてした。

懐かしい鈴城さんの香りがした。

私の頬を両手でむにって引っ張って、その顔に鈴城さんは泣きながら笑った。

「サユちゃん」

「モネ…」

「鍵…開けっぱなしはぁ…不用心っ…だよぉ」

確かにそうだけど、
だからモネと鈴城さんが簡単に突破できちゃったんだけど、今はそんなことどうでもいいのに泣きながら必死に言うモネに、私も鈴城さんも笑ってしまう。

靴すら脱いでいないことにも、泣きながら笑った。

「サユちゃん」

「なに…」

「モネはサユちゃんの親友だからね?」

親友って言葉で私の味方でいることを強要したずるい私からモネは逃げなかった。

モネの恋を、私にくれた。
誰よりもずっとそばで支えてくれて、好きって気持ちも誤魔化さなきゃいけなくて、
それでも親友って言葉で繋ぎ止められることがどれだけ苦しいことなのか、私は分かってあげられないのに、モネはいつも私の為に笑ってくれる。

「ごめん…ごめんなさいモネ…ごめんね………」

「隣に居させてくれてありがと。サユちゃんは私に人を好きになる幸せを教えてくれた人だよ。だから誰よりも幸せになって」
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