カラダもココロも甘く激しく溺愛してくる絶対的支配者様〜正しい恋の忘れ方〜
学園七不思議調査隊

初めての依頼と会長の異変

「なんですか?七不思議調査隊って?」

鈴城さん、中村さん、戸田さん、長谷川さんが顔を見合わせて、クスクスと笑った。

本郷先輩は鈴城さんからファイルを奪って、ページをめくる。

「なんだ、この依頼。ストーカーの類いか?」

ストーカー…?依頼…?
一体なんなの!?

「そっかぁ、砂雪ちゃんはまだ二日目だもんね。知らなくて当然よ」

「私達も最初は戸惑いました」

戸田さんが「ね?」って言いながら長谷川さんに笑いかける。

長谷川さんも、
「書記だ、会計だっていうのは名ばかり。公の場ではそうやって通してるけど、ほとんどの仕事は便利屋さんよね」って言って苦笑い。

「便利屋さんって、生徒会が…ですか?」

「世の中の為よ。はい、コレ」

今度は鈴城さんが本郷先輩からファイルを奪って私に流した。

黒革のファイル。
担任が持っているクラス名簿よりも柔らかくて上品な濃紺。

一ページ目には「学園七不思議調査隊」の文字。

ページをめくっていくと、過去の調査依頼内容と、その結果報告が記されている。

「この依頼はどこから?」

「学園の生徒達から。口コミで最近は外部からの依頼も増えてきてるけどね」

「報告は誰に?」

「理事長よ」

「理事長」

「貸して」

戸田さんに言われて、ファイルを渡した。

ファイルの最終ページを開いて、戸田さんは指さした。

人の名前が書いてある。
名字が「本郷」だ。

「これって…」

「うちの理事長よ。カナデさんのお父様」

「えっ」
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