俺様御曹司は逃がさない
「ここ、俺らが自由に使ってる溜まり場」


た、溜まり場……ですか。

こんなハイレベルなお部屋が溜まり場って、どんな世界線なんだろうか。


「……は、はあ……」


・・・・ていうか、俺"ら"……?

めちゃくちゃ広い部屋に大きなテレビ、大きなソファー、大きな冷蔵庫にキッチンも完備。

トイレやシャワールーム、仮眠部屋などなど……。もはや我が家より遥かに豪華で笑えるし、泣けてくるし、萎えてくるわ。

・・・・恐ろしい。これが国内最高峰……天下の天馬学園。

いや、これが九条財閥の御曹司……九条 柊弥の権力ってやつなの……!?本当にこいつ……何者!?御曹司って生き物は皆こんな感じなの!?

ぶっちゃけ世の中不公平すぎるでしょ、不平等にも程がある!!……まぁ、単なる僻みだけどね。

でも、こんなの僻みたくもなるでしょうよ!!


「おーーい。心ここにあらずっぽいけど大丈夫そう?」

「……ははは。もう帰っていいかな?」

「この俺が逃がすとでも?」


ニヒッと不敵な笑みを浮かべている九条に背筋がゾゾゾッと凍る。


・・・・やる。やるよ。やるしかない。やってやんよ!!


────── かかってこい!!天馬学園!!!!


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