俺様御曹司は逃がさない
────── あれから1週間。
ようやく動けるまで回復したあたし。
でも、思ったよりも状態が芳しくなかったあたしは、あと数日入院生活を送ることになった。
そして、何故かこの1週間、あたしと同じ病室に入り浸っていた九条。
24時間常に一緒。
ぶっちゃけ気が狂いそうだった。
あのクズでもあたしの着替えとか、お風呂に入れないあたしの体を看護師さんが拭いてくれている時とかは、どっかに消えてたけどねー。
「七瀬さん、明日シャワー浴びれそうなら浴びちゃってもいいよ~」
「本当ですか!?」
「補助が欲しいなら私が手伝うから遠慮なく言ってね~」
「ありがとうございます!!」
ようやく、ようやくシャワーを浴びれるぅぅ。
この1週間、お母さん達の面会は許可してたけど、それ以外の人達は遠慮してもらってた。
胡桃ちゃんや純君、蓮様や前田先輩、そしてウチの誰かが話したのか拓人まで……。
ありがたい。そのお見舞いに行きたいって思ってくれる気持ちだけで本当にありがたいの。
だって、だってさ?どう考えても汗とかね……1週間も放置しちゃってるし、匂いとかね……。
だから、誰にも会いたくないのに……会いたくないのに!!