俺様御曹司は逃がさない
そりゃ彼氏なんてできるはずがない。

だって、男がみんっなお父さんみたいだったらどうしよう……そう思うだけで鳥肌が立って無理だった。

今はそれにプラスされたのが“九条 柊弥”という存在。

男がみんっな九条やお父さんみたいだったら……?

彼氏なんて居ない方がマシだな、うん。

そんなこんなで花火を買って、拓人ん家に戻ってきた。


「うわっ、佐伯君の火力ないね~。ほら、僕の見てみなよ」

「アタリ、ハズレくらいあんだろ。いちいち張り合ってくんのやめてくんね?」

「はは。僕と張り合うのがコワイー?」

「俺と張り合いたいわけ?お坊っちゃま」


それから九条と拓人の火力勝負が始まった。


「九条君って意外と子供っぽいねぇ」

「ギャップ萌えじゃーん」

「いや、萎えるでしょ」


何だかんだでワイワイ、ガヤガヤしながらする花火は……とても楽しかった。

九条も庶民の遊びを楽しんだみたいで何より。

これで満足したでしょ。

残りのは休みはゆっくり過ごせるといいな~。



──── あたしの連休は全て悪魔(九条)の手によって、無いものとされた。




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