俺様御曹司は逃がさない
あたしは容赦なく九条の首をホールドした……けど、あれよこれよという間に羽交い締めされるあたし。


「マスターの首を絞めるなんざ前代未聞だぞ」

「あたしをそんじょそこらのサーバントとは一緒にしないで」

「ま、そうだな。こんなポンコツがうじゃうじゃ湧いてたら世も末~」

「だぁぁーー!!もう!!早くしないとクビになるって、冗談抜きで!!」


あたしがそう言うと、羽交い締めをしている力が一瞬だけ緩んだ……とはいえ、馬鹿力なので抜け出せません。


「お前的には良いんじゃねーの」

「は?何が?」

「俺のサーバント辞めれんじゃん」


いつも通りのおちゃらけた感じで言ってくれれば、めちゃくちゃに言ってやろうと思えるけど、おちゃらけ要素のない声色。


「あたしはね、あんたのサーバントをやり抜くって決めたの。意地よ、意地。だから、こんな中途半端で終わらせたくない」


何故か沈黙が流れる。

体感的には1分ほどの沈黙。


「……あっそ。つーか、もうどう頑張っても間に合わねぇけどな~。ははっ、どんまぁい」

「…………ふっっざんけんなぁぁ!!!!」


ジタバタ暴れるあたしを未だに羽交い締めにして、ケタケタ笑っている九条にマジで殺意しかない。

こちとら生活かかっとんじゃあーー!!

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