俺様御曹司は逃がさない
ゴールデンウィーク初日……“虫除け”と称して首に付けられたアレがキスマークだと気付いたのは、その日の夜だったのは言うまでもない。
そして、あたしの悲鳴が轟いたのも言うまでもない。
────── 魔のゴールデンウィーク後、特に問題もなく学園生活を送っている……と言いたいところなんだけど。
まぁ、ちょっと嫌がらせは日常茶飯事。でも、お給料をしっかり貰っている身として、この程度の嫌がらせを我慢できなくてどうする!!と、自分に言い聞かせると共に、自分以外に害が無いならいっか。と開き直っている。
そんなことより問題なのが……そう、“全サーバント対象、唐突な抜き打ちテスト”……これが大問題。
実地試験・筆記試験が行われ、実地試験は何とかギリ合格ラインなんだけど、筆記が赤点しかない。
「はぁぁ。お前さぁ、どんだけポンコツなんだよ。なんでそんなにも馬鹿なのか、まぁじで理解できん。お前の脳ミソどうなってんのー?」
等々、九条に罵声を浴びせられる。
「スミマセン」
「だからさぁ、俺が教えてやるっつってんじゃん」
「いえ、それは結構です」
「即答すんじゃねーよ」
サーバント体力テストで好成績を残したあたしは、なんとかそれのおかげで首の皮一枚繋がっている状態。