俺様御曹司は逃がさない


「おい、七瀬。お前の相手は俺がしてやるよ。特別な?特別~」

「嫌です」

「あ?」

「まだ謝罪もしてくれないような人と、組手なんてしたくありませーん」

「チッ。人が下手に出りゃ調子こきやがってっ……」

「誰がいつ下手に出たんですか?おかしくなこと言いますね、我がマスターは」


こめかみに青筋を立てて、ひきつった笑みを浮かべる九条。

それを見て笑っている蓮様。


「本当に面白い子だね、舞ちゃん」

「ありがとうございます」

「クックッ。いやぁ、本当に面白いや。僕と組む?手取り足取り、1から丁寧に教えてあげるよ」

「是非、よろしぐぅうっ……!?」


首をロックされて、今にも絞め殺そうとしてくるのは九条しか居ないだろう。


「ギブーー!!ギブギブ!!死ぬ!!マジで!!」

「教えてください九条様……は?」


死んでも言いたくないっ!!

でも、死にたくもないっ!!


「教えてください九条様」


結果……感情を殺した。


「じゃ、頑張ってね?舞ちゃん」

「は、はい……」


蓮様は満面の笑みで去っていった。


「すみません。俺、七瀬さんと組む予定だったんですけど」

< 390 / 644 >

この作品をシェア

pagetop