俺様御曹司は逃がさない
「おい、七瀬。お前の相手は俺がしてやるよ。特別な?特別~」
「嫌です」
「あ?」
「まだ謝罪もしてくれないような人と、組手なんてしたくありませーん」
「チッ。人が下手に出りゃ調子こきやがってっ……」
「誰がいつ下手に出たんですか?おかしくなこと言いますね、我がマスターは」
こめかみに青筋を立てて、ひきつった笑みを浮かべる九条。
それを見て笑っている蓮様。
「本当に面白い子だね、舞ちゃん」
「ありがとうございます」
「クックッ。いやぁ、本当に面白いや。僕と組む?手取り足取り、1から丁寧に教えてあげるよ」
「是非、よろしぐぅうっ……!?」
首をロックされて、今にも絞め殺そうとしてくるのは九条しか居ないだろう。
「ギブーー!!ギブギブ!!死ぬ!!マジで!!」
「教えてください九条様……は?」
死んでも言いたくないっ!!
でも、死にたくもないっ!!
「教えてください九条様」
結果……感情を殺した。
「じゃ、頑張ってね?舞ちゃん」
「は、はい……」
蓮様は満面の笑みで去っていった。
「すみません。俺、七瀬さんと組む予定だったんですけど」