だって、そう決めたのは私
「確かに……それは有り難いけれど。きちんと話し合いましょう。宏海のご両親の話も聞かないとね」
「そう? 分かった。あ、そうだ」
「ん、はい」
「僕……佐々木くんのお父さんになるってことだよね」

 あまりにキラキラと嬉しそうな瞳を向けられ、引き気味になったことは否めない。今まで見たことない程に嬉しそうなのだ。血縁関係になくとも、私の息子ならば縁は続くだろう。でも、宏海の息子か、と問われたら……それは違うような気がする。

「いや……多分。違うと思う、います」

 動揺しながらカナタが答える。かなり引き攣った顔で。そんなやりとりを見ていたら、我慢ならなかったのだろう。匡が吹き出して、丸く収まったな、と笑った。

 まだ追いついていない頭の私。現実として飲み込めない思いもある。でも、皆が笑っている。だからきっと、大丈夫だ。私は、そう思った。
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