極上溺愛契約婚で甘やかされて~エステで出会ったセラピストは御曹司でした~
 私は一度母親に連絡した。玲からは今この家にいると言うのは教えても良いとの事だった。母親は数コールで電話に出たので私は今玲の家にいると話すと彼女はえっと口に出ししばらく応答しなかった。

「お母さん?」
「……ごめんごめん。えっ会社から社長の息子さん?」
「そうそう」
「あんた何やらかしたの?」
「いや、何もやらかしてないし仲良くなったからいるんだけど……てか、お母さん昨日からどっか行ってた?」
「ああ、私は同窓会に行ってて……お父さんも釣りに行くって」
(知らなかった……)

 どうやら2人共用事があったようだ。同窓会に行くなんて聞いていなかったのだが。
 玲は私に顔を見合わせ、口を開いた。

「一旦帰宅されますか?」
「……そうですね。親も心配していると思うので」
「では私も一緒に行きます」
「えっ」
「それに一応私からも説明する必要があるかと」

 結果的に玲お抱えの運転手が運転する車で私の自宅まで向かう事になった。荷物を持って玄関の扉を開き、すっかり暗くなった外で車が来るのを待つ。
 しばらくして家の前に到着したのは黒塗りのセダンの高級車だった。中からは痩せた中年のスーツ姿の男性が降りてきて丁寧に私と玲に挨拶をした。

「夜に申し訳ないです」
「いえいえ。玲さんお気になさらず」

 私達を乗せた黒塗りの高級車はベリが丘の高級住宅街から櫻坂を通って私の自宅へと駆けて行く。

(綺麗だなあ)

 ベリが丘の夜景は美しい。宝石箱をひっくり返したという表現がまさにぴったりと合う。
 私は今後部座席に座っており右側に玲が座っている。玲も車の窓から夜景を見つめている。

「綺麗ですよね」
「ええ、ベリが丘の街の夜景は格別ですよ。SNS映えするってよく聞きます」
「そうなんですか……」
「ツインタワーとかホテルの中にも映えるスポットあるみたいですよ? 雪乃さんはSNSやってます?」

 自分はアカウントこそ持っているが、ほとんど更新した事が無い。

「アカウントだけは持ってるんですけど……」
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