嫌われ毒婦の白い結婚 のはずが、最強幻獣騎士様の溺愛が始まりました⁉

 ふたりは照れ笑いするリーゼロッテを見つめ、目をキラキラさせる。
 裾が大きく広がる純白のウエディングドレスは、テオドールと一緒に選んだ。とは言っても、どれを着てもテオドールは『可愛い』『綺麗だ』と言うので、ちっとも参考にならなかったのだが。

「お姉様、今幸せ?」
「ええ、とても」

 リーゼロッテは心からの笑みを浮かべる。

 たったひとりで辺境の地にやって来て、最初は心細かった。
 けれど、アイリスやセドリック、それに商工会の会長から広がる縁で、色々な人達に支えられてきた。そして、今はテオドールが惜しみない愛情を注いでくれる。

 満ち足りた表情を浮かべるリーゼロッテを見つめ、ライラが目元をハンカチで拭う。

「私、ずっとリーゼロッテ様を置いて王都に戻ったことを後悔していたんです。リーゼロッテ様がひとりで辛い思いをしていないかって」
「まあ、ライラ。わたくしは大丈夫よ。むしろ、ライラからの手紙に励まされたわ。ありがとう」
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