政略婚姻前、冷徹エリート御曹司は秘めた溺愛を隠しきれない
心の中を覗かれたみたいでドキッとした。
「私、高校時代の彼と結婚していますから」
そう言って萌香は明花に向かって左手をひらりとかざす。薬指にはエターナルリングが輝いていた。
高校時代の恋を実らせて結婚とは、なんて一途なのだろう。
「素敵ですね」
「明花さんの指輪もとっても素敵」
萌香が明花の左手のリングを差す。まだ着け慣れないそれは、明花の薬指でほんの少しだけ浮いた存在だ。
「ありがとうございます」
明花は控えめに頭を下げた。
「桜羽くんから話は聞いてるわ。いくつかチョイスしてみたから、早速フィッティングしてみましょ」
「はい。よろしくお願いします」
萌香に促され、ファッショナブルな洋服や小物が並ぶ店内を横切り、奥へ向かう。案内されたのは十畳ほどある部屋だった。