俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
四章

響子side


最近、毎日柚が元宮に付きまとわれてる。

私と柚が一緒に帰ろうとしてると元宮がついてきたり、昼休みの時も顔だけ見せに来たりしてる。

柚もちゃんと拒絶すればいいのに、お人好しの所があるから、自分に好意を寄せてるやつの事を断りきれないんだと思う。



「響子ちゃん!!今日こそ元宮君から逃げ切ってみせるよ!!」



最後の授業が終わって帰りの支度をしてる時だった。
柚がなにやら張り切ってるみたいで、力強く私に言って見せた。



「いきなりどうしたの?今まではなんだかんだ相手してたのに」


「いやぁ……最近周りの目が厳しくて……しばらく距離を置いてみたら改善されるかなーって」



別に柚から近づいてる訳ではないけど、周りの女子は顔が良いやつと一緒にいるだけで気に入らないみたいだ。


バカみたい。そういうヤツらってヒソヒソ話してて恥ずかしくないの?




「だから響子ちゃん、今日は私ダッシュで帰ってみるよ!先帰っちゃうね、ごめん!」


「うん、分かった。元宮が来たら柚に近づかないでって私からも言うから」



そう柚に伝えると私の手を握り「ありがとう!」と顔を綻ばせた。

柚は、こんなに愛想のない私にも優しく接してくれる。
他の女子は皆私のことを避けて行ったのに、柚だけは、響子ちゃん、響子ちゃんって懐いてくれた。

だから、私も柚の力になりたいし、友達を大事にしたい。


< 21 / 97 >

この作品をシェア

pagetop