俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
元宮君の腕の中から勢いよく抜け出して響子ちゃんの所に駆け寄る。


「響子ちゃん!!!ごめん!!隠れて遊んでたつもりはないんだよ!!!!本当に最近になって元宮君と遊んでただけなんだ!!ごめんなさい!!!」



響子ちゃんにしがみついて錯乱しながら言う私ははたから見たら頭がおかしいように思えるだろう。
でもこっちもこっちで必死だから許して欲しい。

響子ちゃんは私の圧に押されてか「う、うん」と引き気味で頷いてくれている。



「多々良も来てるのかよ」


「……元宮」



あれ?意外と仲悪くないのかな?

正確に言うと転校してきてすぐに二人共会っては居るけど、ろくな会話をしてなかったはずだ。

でも響子ちゃんのそこまで嫌そうな反応でも無い所を見るに、実は仲良くなってたりしたのかもしれない。



「響子が珍しくストレス発散したいとか言うから来てみたら、お前ら居るんだもん。びっくりだよ、ホント」


「す、ストレス……?響子ちゃん、なんかあったの?」


「…柚には関係ないから大丈夫。それより、柚……いつから元宮と仲良くなってたの?」



ギクッと肩が揺れる。

響子ちゃんに嘘は通じないし、正直に話さないと罪悪感で後々ボロが出るかもしれない。


「ほ、本当にこの間からなんだけど、元宮君から遊ぼうって誘ってくれてね?その流れで今日もボウリング対決をと……」


「……私にはなにも言ってくれなかったんだね」



全身に冷や水を浴びたような感覚になる。

響子ちゃん、怒ってるのかな、失望してるのかな?


私がなにも返せないでいると、そんな雰囲気に似つかわしくないパコォーン!と軽快な音が聞こえた。


「よっしゃストライク!響子見てたか!?」


「見てる訳ないでしょ」


「なんで見てねえんだよ!!」



気まずい雰囲気の私達なんて眼中にないのか、望月君はストライクを取った喜びに夢中みたいだ。

元宮君はと言うと、忌々しそうに望月君が取ったスコアを見ながらボールを入念に拭いている。


響子ちゃんもそんな男子達を見て馬鹿馬鹿しく思ったのか、私に困ったような笑みを浮かべた。



「柚が私以外と仲良くしてたから嫉妬しちゃっただけなの、ごめんね…」


「きょ、響子ちゃん……!響子ちゃんより仲良くなる友達なんて多分出来ないから大丈夫だよ!!響子ちゃん大好き!!」



か、可愛い!

そんな可愛い理由で嫉妬してくれてたなら、私はなんて幸せなんだろう。

響子ちゃんに再びしがみつくと、流石に鬱陶しかったのかすぐに引き剥がされた。悲しい。
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