俺様系イケメンは、私にだけ様子がおかしい
(で、でっか……)


その望月君の横にいる、180cmはゆうに超えているであろう人物に圧倒されてしまった。

そんな彼…野田君は私の横にいる響子ちゃんに熱烈な視線を送っているようで、私には目もくれない。



「多々良さん、だよな。俺のこと知ってるか?サッカー部でこの間県大会スタメンだったんだけど」


「知らない。アンタ誰?馴れ馴れしく話しかけないでくれる?」



野田君の隣でぶはっ!と噴き出しながら笑ってる
望月君だけど笑い事じゃないよ。

私はと言うと、響子ちゃんの冷たい返しに内心ハラハラしていた。

だって、逆恨みとかされたら怖いし、生意気だ!って言って喧嘩になっちゃうかも……


そんな私の考えとは裏腹に、野田君は響子ちゃんの発言に顔を真っ赤にしながら「ご褒美だ…」と小さく呟いていた。

え、どんな人なんだろう野田君。



「噂通りのドSだな、多々良さん……マジでそういうとこ、グッとくる…」


「きっも……望月、さっさとこのキモいの連れて消えなさいよ」


「はいはい、うるせー女だな相変わらず」



そう言いながらも、望月君は財布を取り出して指を二本あげてる所を見ると、どうやら買ってってくれるみたいだった。



「もっちーの所はなにやってるの?」


「俺らの所は女子達がメイク教室みたいなの開いてたなー。野郎は要らねーからどっか行けって言われたよ」


「ま、俺は帰宅部の颯とは違って、これからサッカー部に顔出さなきゃいけないけどな。面倒臭いぜ、ホント」



牛丼を二つ袋に入れて望月君に渡していると、野田君とバッチリ目が合う。

響子ちゃんに向けてる視線とはまた違うけど、どこか品定めするような目で少し居心地が悪い。

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