あなたに出会って世界が変わる

夏鈴の日々

｢これで授業終わります。テストはこの辺りから出すので勉強しておくように。｣
蝉が鳴き始めた頃、大きな講義室に先生の声が響く。

ここは清心大学の講義室。
清心大学は総合大学でたくさんの学部があり、多くの学生が在籍している。
文学部の山下夏鈴はここの大学の1回生だ。

｢来週からテストだって、だるいわー。夏鈴一緒に勉強しよー。｣
そう話すのは、隣に座る親友の立花由衣。幼なじみだ。

｢そうだねー。今日は4限目が空きコマだし、その間にしよっか。夕方からはバイトなんだー。｣

｢おけー。そうしよ。夏鈴またバイトなの。ちゃんと寝てる？｣

｢寝てるよー！超元気。｣

少し心配そうな顔をする由衣に対して、明るく振る舞う。