無自覚な彼女はヴァンパイア様の溺愛に気づかない
…もしかして、と思って少し離れている一個隣の部屋の看板を見ると〝保健室〟そう書かれていた。

ここは保健室の付属している資料室なのだろうか。

それにしては、幾分過激な資料室だったけど。
幸い防音なのか音は外には響かず、頑丈なつくりなのか中から大きな音と煙が出ただけで校舎はぴくりともしなかった。


「あんたこれ一緒に片づけてくれるよね?」


男の人が指さした先にはひどく散らかっている本と辺り一面をぬらす液体、そしてあたりに転がる瓶があった。


「えっと…」


状況が掴めない以上判断が困る。


「さっきあんたが邪魔したせいで爆発したんだけど?あと少しで調薬できたのに」


…調薬?
ぱっと見普通の学生さんだ。それにどうしてこんなことをしているのかも気になってしまう。


「とりあえず、手伝ってよ」


いわれるがままに雑巾を渡されたり、しぼったりした。
もちろん怪我していない手で何とかやった。


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