ある日、死神さんが私に言いました。
死神さんが私の家に
「……」


憂鬱な朝がやって来た。
今日こそは隕石でもテロでも起きて地球に朝がやってこない事を軽く祈ると、彼女はまた布団に潜り込んで体を丸めた。

カーテンからさす光を邪魔だ、と布団から出した手で閉めてまた目を閉じる。
部屋の外からは、妹が階段から降りる音が聞こえて来た。

どうして私は今、苦しむために生きているんだろう。花宮 心(はなみや こころ)はその問いの答えを見つけられなかった。



*****




「……あ」



気がついたら夜になっていた事に気がつく。朝も夜も何も食べていないけど、食欲は湧かなかった。
でも用意してくれたご飯は食べないと、と部屋の扉を少しだけ開けていつも通り母さんが用意してくれたお盆に乗っているご飯を手繰り寄せようとした。

けど、そこには何もない。

ああそうだった、と彼女は思った。数日ほど前から、母さんがご飯を用意してくれなくなったんだ。
あれ? じゃあ、私って何も食べてないのかな。驚いた自分とは裏腹に、空かないお腹には仕方がないとそのままベットに入ろうとした、その時のこと。


空いていた窓のふちに、誰かがいるように見えた。


強い風に舞う黒色のコート、月光に反射する銀色の髪。不審者だ、と直感的に思ったけどなんだか様子がおかしい。
そもそも窓のふちに人が立てるのか? 座れるのか? ここは二階だぞ、そんな事はありえない。



「あ、あの」


「……」



声をかけてみた。けど、何も返ってこない。首を傾げながらも、また彼に声をかけてみた。



「あの!」


「……なんやねん」



今度は帰って来た。想像以上に若々しかったその声に少し後ろに下がりながらも、花宮は近所の迷惑にかからないであろう声量で言った。言おうとした。



「うるさいなあ、自分。こちとら苛ついとんねん、確かに見えていたら本当にただの不審者っちゅー事になるし……」



早口、怒り気味でその人が言った。
後半のほとんどは何を言っているのか聞き取れなかったし、なんだかその言葉…言動には違和感が見えた。いや聞こえた。




「あ、あの。見えていたら、って?」


「見えていたらなんてそのままの意味に決まって……ん? …自分、今俺に向かって言ったん?」


「え? あ、はい。近くに、あなたしか居ませんし……」


「…俺が見えとるん?」


「見えて、ますけど……」


「……まじ?」



「マジ、です」
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