あの一夜で身ごもりましたが、結婚はいたしません ~天才心臓外科医の猛攻愛~
ママのお友達
 「うーん。どうしよう……」

 夜が深まってきた二十時。

 栄斗と一緒にお風呂から上がり、ソファに腰かけた私はスマホを手に取って頭を悩ませていた。

 【お疲れさま 元気か?】

 昨日連絡先を交換した、瀬七さんからメッセージが届いている。

 返事を打ってみたはいいもの、結局カーソルを長押ししてメッセージを消した。

 瀬七さんへの想いがあるので、彼とこうして話せることは嬉しい。

 この前の真剣な様子からして、瀬七さんが嘘をついているようには思えなかった。

 けれど、四年前の恵さんとの会話への疑惑は払しょくできてはいない。

 このまま本当に、彼とやり取りをしていていいものか。

 「ままぁ、どうがみたい。すこしだけ」

 「寝る前だからだめ」

 「ほんとにすこしだから~!」

 パジャマ姿の栄斗が私の腕にすがりついて、スマホを覗き込む。

 最近栄斗は、日曜日の朝にテレビ放送されている“最強戦隊 GOGOレンジャー”にハマっていて、動画を見あさっているのだ。

 決めポーズを真似してみたり、キャラクターの動きをまねて飛んだり走ったりしている姿を見ると、男の子だなぁと感心してしまう。

 「お取込み中ごめんね~。ひかり! ちょっと来てくれない?」
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