秘密の恋をしませんか⁈ ロミオとジュリエットの恋*ハッピーエンドになります
「ほんと、助かるよ。カルテの保管庫行って、このカルテ探してきてくれないかな?」
今では、データ管理の為、紙のカルテは、ほとんど使われていないが、数年前以降の患者さんのデータは入力されていないので、たまに、探しに行くこともあるので、誰も不思議に思わないのだ。
「わかりました。こちらの番号ですね」
「そう、結構、昔のだから時間かかるかもだよ。樹梨ちゃん、1時間ぐらい抜けても大丈夫?」
「はい、もう、受付時間も終わりですし、緊急があれば、これがありますから大丈夫です」
院内用携帯電話を首から下げて見せる。
「じゃあ、お願いね」
「はい、見つけたらお待ちします」
なぜか苦笑いされるのだが、まぁ、そこは気にせずに、同僚に声をかけて保管庫へ向かった。
保管庫のロックが開錠されていたらしく、施錠になる。
あれ?
自分の認証カードをかざしたが、やはり、今回は、開錠した。
誰か入っているらしい。
中に人がいれば、ロックがかからないシステムなので、閉じ込められることはないのだ。
中は、薄暗く首を傾げるばかりだ。
壁にある電気のスイッチを手探りで探していたら、カチッと音と共に、手を掴まれて中は引き込まれる。
ドアがガチャンと閉じる音。