秘密の恋をしませんか⁈ ロミオとジュリエットの恋*ハッピーエンドになります
「あー、これはこれは、加藤議員。本日はわざわざ来て頂きまして、ありがとうございます」
「何をおっしゃいます。久世家の次期当主のお披露目に来ないわけには行きませんよ。息子を連れて駆けつけました」
父から握手を求めていないのに、父の手を握り握手しだす辺り、2人の関係性が見えてくる。
父がわざわざという時は、こなくてもよかったのにだ。
歓迎する相手なら、ようこそというだろう。
んっ?
そこで疑問がわくが、値踏みする視線に意識がそれた。
「理央くんも立派になられて、久世家も安泰ですな」
そう話だした加藤議員に捕まった父をおいて、母は、勅使川原総監と露美緒さんと少し離れて談笑しだす。
私も、そこへ行きたかったのだが、兄に振袖の袖を掴まれて動けないでいる。
何よ…と、袖を引っ張るが離してくれない。
『ここにいろ。父さんの命令だ』
いつ、そんな命令があったか疑問に思う。
ここは、人の目もある為、ケンカするわけにもいかず、仕方なくその場に留まるしかない。
理央は、先ほどの勅使川原総監のように挨拶する気はないようだ。
ということは、加藤議員は、重要人物ではないということ。
それなのに、なぜ、私もいないといけない。