私が一番あなたの傍に…
するとお母さんの方から、連絡先を交換しようと提案して下さり、その場でお母さんと連絡先を交換した。
愁曰く、お母さんは娘が欲しかったみたいで。息子の彼女を紹介されて、とても嬉しかったとのこと。
そんな話を聞いてしまったら、もっと仲良くなりたい!と思い、今では積極的に交流を持ち、愁のお母さんと連絡を交わしている。
連絡の内容は主に愁のこと。私の知らない愁の話や、幼い頃の写真などを愁に内緒で送ってくれている。私はその写真を大切に保存し、たまに眺めている。

そんなこんなで、挨拶は無事に済み、一段落している。
しかし、まだ肝心の一緒に住む家が決まっていない。挨拶が済んでから見つけようと二人で決めていたので、これから物件を探しに行くところだ。
学校とバイトを両立しながら、二人で物件を探し、自分達に合う物件を頑張って探している。それもあと少しで落ち着きそうだ。何個かいい物件を見つけたから。その物件に足を運び、実物を見るのが楽しみだ。

最初はどうなることかと思ったが、無事に同棲を認めてもらえた。一気に肩の荷が軽くなった。
これから先、大変なことの方が多いと思う。学生同士の同棲だから余計に…。
それでも今は楽しみの方が勝っていて。この先の未来がどうなるかなんてどうでもいい。今の私達は楽しく生活できればそれだけで幸せで。
早く社会人になって、愁と結婚したい。そして、また両親に挨拶をし、二人の将来を認めてもらえるように、私達は今の暮らしを大切にし、一緒に歩んでいこうと思う。

「幸奈、物件見に行くぞ」

「はーい。今、行きます」

今はまず、物件を探すところから。今日見つかるといいな。そんな期待を胸に膨らませながら、不動産屋さんに赴いた。
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