私の可愛い(?)執事くん

ー帰り道ー
「渚」
名前を呼ばれて渡されたの紙袋には雑貨屋で見つけた
ハンカチ。

「これ、なんで」
「渚、好きそうだなって思って。
思ったよりレジ混んでて。
ごめん、怖かったよね」
「・・・そんなことないよ。すぐ来てくれたよ。
ハンカチありがとう」
買わなかった理由を話すと気まずくなりそうだから
笑って受け取る。
(どうしようかな、このハンカチ)

「そのハンカチ、俺とのデート専用ね」
顔に出てたのか、本音なのか、
陽の提案に嬉しくてハンカチを大事にしまう。

時間は午後3時。
「渚も疲れたでしょ?そろそろ帰ろうよ」
「今日、家族のみなさんは?」
「父は仕事で夜まで。母は友達と
じいちゃんは老人会の旅行で明日まで
帰ってこないんだ」
「迷惑じゃなかったら、陽の家寄ってもいい?」

優しかった眼差しが少し変わった。
「意味わかって言ってる?」
「うん」
「期待していい?」
頷いて陽の手を握る。
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