松之木学園♥生徒会執行部


 何といっても香織ちゃんの強さは全国大会優勝レベル。勝てる男の方が少ない。その数少ない内の一人が兄である澤田君である。

 きっとツンキーは澤田君さえ倒せば自分にもチャンスがあると思っているんだろう。実質、香織ちゃんよりも強いってことになるから。


 でもまぁ、実のところ香織ちゃんの好きな人がたまたま強かったというのが、発言の真相なのだが。ツンキーは知らないし、知ったところで諦めるのかも怪しいところだ。



 「コラ!松戸と澤田。喋ってないで真面目に授業を聞かんか」


 話し声に気づいた先生が手を止めてチョークを私たちに向ける。その瞬間、ツンキーが振り向いてじろりと私たちを睨んだ。目が合えば顎をツンと上げておすまし顔。


 「お前らやる気がないんなら帰れよ!邪魔」


 そして野次でも飛ばすようにそう言ってポケットに手を突っ込みイスにふんぞり返った。澤田君は平然としているが私はちょっとムッとする。


 「いやいや、暗黒ノートを作成していた人がよく言う」

 「ああん?」

 「さっきから教科書のページが1ページも動いていないのは知ってますよ」

 「勝手に見んなや!」

 「ドアホ。お前らやる気がないなら尚更話を聞け!」


 怒るツンキーと軽く言い合い。しかし、先生に怒られて前を向く。少しすっきり。ツンキーは『ぐぬぬ』と悔しそうにしていたけど。
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