身代わり同士、昼夜の政略結婚
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食事において、アマリリオでは目に色鮮やかなもの、オルトロスでは味がはっきりしたものが好まれる。


つまり、こちらに来てからというもの、供されるのは香辛料や砂糖をふんだんに使って味つけされた食事で、正直に言うと食べ慣れない。


甘いお茶、辛いおかず、しょっぱいサラダ、極端に甘いデザートなどといった具合である。


無理をして食べていたのだけれど、とうとう体調を崩した。


大変な心配をかけたらしく、屋敷の人々は病人向けにいろいろと世話を焼いてくれた。


食べやすいようにと作ってもらった粥をひと匙掬う。


……甘い。お粥が激烈に甘いわ。飲み物も甘いのに。


水を頼んでも果実水になって出てくるこの国では、素材の味を生かすのは難しいのかもしれない。

暗くて見た目が黒っぽくなるから、もそもそ食べたら薄い味だとひもじさが出てしまうのかも。


作ってもらったものを残すのは申し訳ない気持ちと、これ以上濃い味つけの料理を食べたら本当に倒れる気持ちとがない交ぜになっている。


……友好の証たれというわたくしが、文化を否定するわけにはいかないわ。


えい、と口に運んだ粥以降、記憶が途切れた。
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