明日の君が今日よりもっと幸せになりますように
桜並木の川沿いを僕は緊張した面持ちで歩いていた。
今年から高校生になり中学で仲良かった友達とも離れてしまい、僕は初登校の今日が憂鬱で仕方なかった。歩いて15分ほどで僕が今日から通う私立H高校が見えてくる。校門をくぐり下駄箱で上履きに履き変えて1年生の教室のある4階へと重い足を運んだ。

教室に着くと陽キャの男子や高校に入学して太ももの位までスカートを短くしてるギャル系女子が既にグループを作っている。僕が進学したH高校には同じ中学出身の子は居ない。教室で誰とも話す事無く窓側の前から3番目と出席番号で指定された席に着いた。これから3年間本当に大丈夫なのか友達はできるのか僕は初日から不安になった。

朝のSHRが始まって女の担任の先生が教室に入ってきた。出席確認で1人ずつ名前が呼ばれていく。
『 佐々木高貴くん』僕の名前だ。僕は小さめの声で
『 はい。』と返事をした。出席番号順で並んでいる席、隣は、茶髪気味た髪で目がパッチリな女の子だ。隣をチラッと見たあと僕は他の人の名前や先生の話を聞くことも無く窓の外をぼんやりと見つめていた。


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