初な彼女と絆される僕
「―――――課長?大丈夫ですか?」

そこに窺うような、李依の声が耳に入ってきた。

「あ…」
我に返ると、李依が心配そうに見上げていた。

「何かあったんですか?
営業先で何か……」

勇剛は、先程までの狂おしい想いを払拭するように頭を横に振り、李依に微笑んだ。

「ううん!大丈夫!
ごめんね」
そう言って、ゆっくり李依から離れた。

「戻ろうか。
残業しないようにして、終わったらデートしようね!」
そして李依の頭をポンポンと撫でて、休憩室から出ようと出入り口に向かった。

何故か、とても切なそうだ。

「………」
李依はその後ろ姿を見つめて、勇剛を呼んだ。

「ゆ、勇剛さん!」

「ん?」
微笑み、振り返る勇剛。

「好きです!」
真っ直ぐ勇剛を見て言う、李依。

「………李依…/////」

「この会社に就職した時から、ずっと憧れてました!
勇剛さん、ほんと完璧で…/////
カッコいいし、仕事もテキパキしてて早いし、色んな人に信頼されてるし、なのに威張ることもなくて優しくて……
でも完璧すぎて、私には手の届かない人だって思ってました。
別の世界の人だって。
……………でも…勇剛さんから“眠りが浅い”って話を聞いた日。
勇剛さんは一人で残業してて、私が忘れ物を取りにいったあの日。
実は声をかける前から見てたんです。
顧客のことで物凄く悩んでて、どうするのが良いのか、どうすればスムーズにいくのかって何度も試行錯誤してましたよね?
その時、思ったんです。
勇剛さんは“完璧なんじゃない。完璧に見えるようにこうやってカゲで努力してたんだって!
私達が頼りきって、知らないだけなんだって”
…………もっと、好きになりました!
だから私も“別の世界の人”だなんて諦めないで、好きになってもらえるように頑張ろうって!
勇剛さん。私、頑張りますから!
私も、勇剛さんにもっと好きになってもらえるように。
だから、もし…不安なことがあるなら、私にも一緒に解決させてください!
恋人って、お互いの不安とかは一緒に乗り越えるものなんですよね?
勇剛さん、言ってたじゃないですか?
“我慢はしないでね”って。
勇剛さんもですよ?」

「………」
(ほんっと、敵わないなぁ……)

「勇剛…さん?」

「李依」

「はい!」

「僕は、君のそうゆうところが好きなんだよ!」

「え?」

「真っ直ぐで、ピュアなところ」

「は、はい/////」

「初めてだよ、こんなに愛しいって思ったの」

「え?」

「今、はっきり言い切れる。
僕は、李依のことを“一生愛し続ける”って。
そのくらい、好き」

「勇剛さん…はい!嬉しいです!/////」

「だから、離さないからね」

「はい!」

「離れないでね」

「はい!」

「ずっと、僕だけ見ててね」

「はい!」


元気よく返事をする李依に、ゆっくり近づいた勇剛。
頬に触れ、額にキスを落とした。

「口唇は、デートの時いっぱいしようね!」
そう言って、悪戯に微笑んだ。
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