クールな御曹司は強気な彼女を逃さない
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部屋に案内されると、先に藤崎塁が席についていた。

「先日はどうも。今日はお忙しい中、来ていただきありがとうございます。」

ニコリと口角を上げて、綺麗に頭を下げた。


「遅れて申し訳ない。こちらこそ、先日はどうも。
今日は、どう言ったご用件で?」


ついつい、かまえてしまう。

麗は元気か?なんて間違っても聞けないし。


「まず、食事でも食べながら、お話しましょうか。」

そう言って、塁は俺に酌を注ぐ。

お互い、ついだ後カチンと乾杯した。

なんとも妙な気分だ。


「実はですね、こないだもお話しした通り、東京支社での勤務に伴い引っ越しも済んで、やっと落ち着いて来たところだったので。ゆっくり、お話しできたらなと思いまして」


「ああ。そうでしたか。
東京には慣れましたか?」


「いやぁ。なんとも。度々仕事では来てはいたんですが、住むのは初めてなので。
まぁ、1人じゃないのでそんなに大変ではないですかね?」
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