クールな御曹司は強気な彼女を逃さない
15

15


もう、すっかり外は暗くなっている。

この部屋のライトは付いてない。

リビングから僅かに漏れる灯りと、ぼんやりと輝き出した月明かりだけ。

それでも、純平の目が鋭く光るのが見えた。
私を仰向けにして、両手を顔の横に置く。


「麗。良く聞け。
俺はあの日、お前に惚れたんだ。
だから抱いた。
お前は、俺のだ。もう、どこにも行くな」


ジワっと涙が浮かぶ。
ヤバい。嬉しくて、泣いちゃう。
まさかすぎる。

純平は、そんな私を優しく見つめて、ゆっくりと親ゆびでこぼれそうな涙をそっと拭う。
< 159 / 281 >

この作品をシェア

pagetop