清くて正しい社内恋愛のすすめ
 穂乃莉は恥ずかしそうに頬をピンクに染めると、そっと隣の加賀見の顔を見上げた。

「一応、来年の春ごろを予定してる。その時は、みんなにも出席して欲しいと思ってるから」

 加賀見が穂乃莉に目配せしながら声を出し、穂乃莉も笑顔でうなずいた。


「あぁもう、妬けちゃいますぅ。でも、やっと加賀見さんの想いが叶ったって感じですよねぇ」

「ほんとほんと! 見てるこっちは、じれったいのなんのって」

 「ねぇ?」と顔を見合わせる花音と玲子の隣で、相田が「まぁ、ある意味、陵介の粘り勝ちだな」と妙に納得したような声を出し、卓がそれに大いに同意した。

 穂乃莉はキョトンとすると首を傾げる。

 どういう意味だろう?


 ――そういえば加賀見って、いつから私のこと、好きだったの?


 穂乃莉は頭の中を巡らせる。

 加賀見の発言を思い出すと、前から穂乃莉に好意を持っていたのは確かだが、でもそれがいつからかは知らないし、ましてやみんなが知っているというのは、どういうことだろう。

 穂乃莉が首を傾げながら見上げると、加賀見の耳は真っ赤になっている。

「え? 加賀見?」

 穂乃莉はあまりにも珍しいその姿に、思わず顔を覗き込む。
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