君の心をみせて
高宮は話している間も、話し終わってもさっきの笑顔のままだった。

俺はそんな高宮を見ていられなくて顔がゆがむ。

俺は高宮にゆっくり近づいていく。

「古賀たちのこと傷付けないように笑ってた?」

「一緒にいるのが当たり前だった?」

「また前みたいに話したい?」

俺が聞くことに高宮は全て頷く。

俺は高宮の目の前まで来た。

高宮は俺を見ないでまっすぐ顔を向けたまま、また笑う。

高宮の頬に手を伸ばした。

両手で頬を挟んで俺の方を向かせた。

相変わらず笑顔のままだが、その目は揺らいでいる。

「笑うな」

え、という表情が一瞬浮かぶ。

「笑うな。俺の前では無理して笑うな」
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