君の心をみせて

【3】

翌日、朝学校に来た私はまだ誰もいない教室に1人で入る。

昨日枝野に言われた「感情に名前を付けられていないだけ」ということが私の励みになった。

扉があく音がして振り向くと希海がいた。

「あ、結良、今日早いね」

「おはよ」

あえて心は見なかった。

でもそんなに緊張しなかった。

そのあと続々と人が来て私は久しぶりに3人と話した。

いつもと同じような、大したことない話。

〔結良、今普通に笑った?〕

〔結良が感情だしてる…〕

3人の頭には驚きの言葉がいっぱいだった。

彼女たちの表情はいつもより明るい感じがした。

それを見ていると、嫌われたとか怖がられたのではなく、心配されてたのではないかと思い始めた。
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