添い寝だけのはずでしたが
「あの……」


「帰るか?」


そこでハッとした。


そうだよ……帰る家なんてない。


それに、やると決めたからにはやり通すのが私。


このまま逃げるわけにはいかない。


立ち上がろうとした葵さまを止めにかかる。


「平気です! 不眠症とお聞きしました。そ、添い寝……致します。私でできることなら、なんなりと……」


か、カミカミだよ。


落ち着け私っ、もうどうにでもなれ!


ベッドサイドに腰かけて、葵さまを見つめる。


あ、ダメ……手が、足が、少し震えてきた……。



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